某アニメの放送休止に思うこと

昨日、某深夜アニメが突然放送中止になりました。

そのアニメには女子高生が同級生の首を切りつけてしまうというシーンがあり、それが最近起こった女子高生による父親殺害事件に対応して放送を自粛することになった、かららしいです。

また2のつく某巨大掲示板群では「ひぐらしのなく頃に」とこの事件との関連性が指摘されています。このことと同様の指摘は1部スポーツ紙でもなされているようです。

どうも「陰惨な事件を起こすきっかけはアニメ・コミックにある」という、因果関係の証明できない意見にまた世の中が振り回されることになりそうです。

これでまた規制が強化されるのでしょうか。

あほらしい。

個人的な感想を言わせてもらうと・・・
アニメと個人の起こした事件とは非常に薄い関連しかないのではないかと思ってます。
今回の事件に限らず様々な事件のもとで感じることですが(宮崎勤事件ですら)、容疑者とアニメ・コミックの読み手には、客観的なそれらの享受量といったものには大きな違いというものが感じられないからなんです。われわれだってたくさんのアニメやコミックに囲まれて生きてきたのに、それで人を殺そうとか思ったことというのはないですよね?少なくとも自分自身はありません。

むしろ同じようにアニメ・コミックに触れていても、それで人を殺すことを考えつくというのは読み手の中においても十二分に例外的な存在なのであって、その1部の人間のためだけにアニメ・コミック全般を規制するのはいかがなものかと思ってます。
それなら、ドストエフスキーの「罪と罰」を読んで、「社会通念的にも悪とされる存在なら殺してもいいじゃないか」と考える1部の存在だって考慮して、このような文学作品は規制されるべきであると考えます。これに対しては「アニメ・コミックと文学はそのリアルさ、描写において、明らかにアニメ・コミックのほうが読み手に強く伝わるのであり、強く伝わるものを規制するのが当然である」という意見もあるかもしれませんが、アニメ・コミックがなかった昔は当然文学作品の影響で人を殺したり、はたまた自殺したりということがあったわけであり(「若きウェルテルの悩み」とかね)、アニメ・コミックを取り締まるだけでは、それは逆に以前への回帰をもたらすだけである可能性があると考えられます。それにアニメ・コミックだけを取り締まることで、それ以外の芸術作品と取り締まりの公平性が確保できないことにもなりますから、規制するのならあらゆる芸術作品を規制対象に含めるべきであると考えます。

しかしもっと個人的なことを言わせてもらうと・・・

人を殺すってえのはアニメなんかと違うもっと悲壮な覚悟でやるもんだと思うんだぜ。
そんないい加減な気持ちで人を殺すなら、お前がその前に死んでしまえ。