イキガミ(ネタバレ注意)

イキガミというコミックをバイトの帰りに立ち読みしてきました。

背筋が凍りますね。

毛穴から泡が吹いて指先から順々に潰れていく、そんな感じ。

ストーリとしては、「小学校の時に国家の管理のもとでナノカプセル入りの予防接種を打たれた子供は18〜20歳になるとナノカプセルが心臓で破裂して死んでしまう。そして死ぬ24時間前になると「逝き紙」と呼ばれる紙を役所から受けとる。その人物はこの24時間どう生きるのかを真剣に考える・・・」というものです。

コミックの帯には「国家の恐ろしさと生きることの意味をこれほどまでに考えさせる漫画があっただろうか!」なんて描いてますが、個人的には「国家の恐ろしさ」は伝わってきませんでした。あんまりにも空想的だったのでつい引いてしまいました。

実は、国家による国民の生命管理なんて言うのは現実にも起こっているわけですが。(某省庁が「国民の健康増進のために健康増進法をつくりました」なんて言ってるみたいですが、本当は国民の命を長くするのが目的なのではなく、医療費の削減が目的なのです。医療費が増えないためには国民にはピンピンしてもらっていて、ながいきして突然ころりと死んでいただくのがベストなのでそうしているだけなんですけどね。これ以上言ったらヤバくなりそうなので自重します。)バトル・ロワイアルを読んだ時のような感想です。

「命の大切さ」は十分伝わってきました。

末期がんの患者さんがあと半年しか生きられないことを知って命の大切さに気づく、というのと一見よく似たテーマなんですが、普通がんのお話だと主人公の設定年齢的に「家族の愛情」だとか「身内への感謝」というようなことが大きなテーマになっていくのと違って、「イキガミ」では設定年齢が若いこともあって「自分の夢」だとか「自分」という存在について深く考えさせるものが多いように思われます。

ここが「イキガミ」のいいところでしょうか。

いずれにしても背筋の凍る話ではあります。