組織の「タコツボ化」

この前みんなの前で「タコツボ化」っていう話をしたら、わかってくれなかったみたいで悲しかった。タコツボ化って、その筋では一応「異文化との接触が断たれた状況になること」を言う言葉だ。別に異文化って言っても、アメリカ文化とか言ってるわけじゃなくて、あくまでその”タコツボ”で支配的な文化と異なる文化のことをいう。

要するに、自分と価値観が似ているような人たちといつも一緒にいて、そのほかの人たちとかかわろうとしない人たちが増えてくることを言う。これが組織に増えていくと、組織全体に考えが及ばなくなり、タコツボの内部の論理で動くようになる。そして、組織全体の意思疎通を阻害する。加えて、タコツボ化は新しい刺激を与えて、あるものを一定方向で突き詰めていく方向では生み出すことのできない新しい発想を与えるという、異文化との接触の最大のメリットを失わせることになる。タコツボの中は確かに住みやすいが、それによる弊害は長期的には組織の解体にまで結び付くような重大なものである。

ここからは私見なんだけど、タコツボ化ってとってもオタク的なものと親和性が高い。ある一つのものにばかり詳しくて、他との接触を断ちがちであったりすることとか、価値相対主義の悪い部分(「お前はエヴァが好きなんだろ?俺はCCさくらが好きなんだ。それでいいじゃん。」みたいな感じで、好き嫌いですみ分けが進んでしまっていて、グループ同士が接触しようとしない状況とか)とか、オタク的なものの諸要素がタコツボ化を招きやすくしている。これは多分エンジニアでも一緒だ。技術やって言って、大学時代から研究室で研究を重ねてほかのいろいろなことから接触を断っている様子は、研究室がタコツボに重なる。確かに、タコツボの中のほうが世間の余分な話に付き合わされることなく研究に没頭でき、よりよい研究結果を得られたり、よりより商品を開発することもできただろう。ただ、昨今のウォークマンipodからのやられっぷりを見ていると、問題はタコツボ化にあるんじゃないかな、と思わざるを得ない。

では、組織ではタコツボ化を防ぐためにどのような対策をとっているのだろうか。
ここでは、有名なグーグルのホワイトボードの話を取り上げてみたい。グーグルの組織論の話は賛否両論あるところだけれど、この話については結構興味深いと思う。
http://www.popxpop.com/archives/2006/11/post_71.html

ここの話をみると、どうやらグーグル本社では廊下にホワイトボードをおいて、将来のグーグル帝国の野望を書きこんでいるもよう。
なるほどータコツボ化を防ぐ手法にはいろいろあるんですな。